トゥルン
公式の人気投票でも堂々の1位で納得、もはや出来レース感すら漂うほど。
初登場の軽い感じからは想像もつかないほどの優しさや芯の強さ、慧眼を持ち合わせている作中におけるパーフェクト姉さん。
ハルヴァのようにこちらが『トゥルン姉さん・・』と言いたいくらい魅力的なキャラクターと言っていい。
とはいえ、結局は本心を見せているようで見せていない。理解出来ているようで理解出来ていないキャラクターなのもまた事実。
作中で男が寄ってこないといったネタ的な会話をよくされているが、万が一にでもトゥルンの本質を見た時に果たして彼女の隣に並び立てる男はいるのだろうか?いう恐怖も個人的には感じている。
最初に言った優しさや芯の強さ、慧眼はプレイヤーが垣間見るトゥルンの中のほんの一部に過ぎないことはひしひしと伝わってくることもあって、最初から最後までトゥルンの掌の上で踊らされている劣等感のようなものは生涯拭われることはないだろう。
あと、クリア後には序盤でロクムが言っていた『風魔法使いはどうして軽いやつが多いのか・・・』という言葉はロクムの人を見る目が無い証明と、トゥルンが世間の風魔法使いの認識を相手の外面を剥がす外交手段として使っているのは賢さの証明の対比になっているなと感心した(というより風魔法使いに一物抱えたやつが多すぎてロクムの言う風魔法使いは作中だとズコットくらいしかいない)
勇者歴1000年で唯一、ガジェータスの勇者とは何かの理論に辿りついていることも個人的には胸アツである。
余談だが、久遠の彼方をプレイしていて『人気投票があったら確実に1位だろうな』と思っていたら案の定1位だったので、FF10のアーロンを見ているような気分になった。
パーキン
強く思うこと、トゥルンさえいなければ間違いなく人気投票は1位だったよパーキン。そこは残念。
初登場時の『求婚に来た隣国のバカ王子枠か?』からの好感度の上昇率が凄まじく、話が進むにつれてパーキンの出来た、いや出来すぎた人間性を見ていくたびに好きになっていった。
もはや『このゲームの主人公はパーキンでは無いのか?』と思うほど好感度が天井知らずで積み上がっていく。
クオンが勇者になるための引き立たせ役がオーギスであるように、クオンもまたパーキンを引き立たせるために生まれたキャラクターなのか?という裏設定でもあるかのような意味不明な考察が始まってしまうくらいパーキンのカッコよさに惚れた。
貴族としての振る舞いはもちろんのこと、誰に対しても同じ目線で分け隔てなく接してそれにいっさいの嫌味が無く、唯一無二の時間魔法使いで孤独なはずのクオンに最後まで友として寄り添ってくれたりと非の打ちどころが本当に無い。
普通1個くらいはあるよ?世の中に100%なんて無いに等しいのに嫌な部分が本当に無いんだもんなパーキン。
個人的というかほとんどのプレイヤーがそう思っているとは思うけど、『カナタにパーキンはもったいないよ』と声を大にして言いたい。これほどまでに作中でのパーキン評とプレイヤーのパーキン評に乖離があるのは悔しすぎる。
もっと作中でパーキンの良さを言及しろ!!
他にも、ザッハ・クロックとの男同士の信頼関係もパーキンの良さの1つと言える。言葉に出さずとも背中を預けられるほどの関係性をプレイヤーに感じさせてくれるのもアツくて最高です。
ほんと人気投票が1位じゃないのは可哀想だな~と心底思う、トゥルンの壁は厚すぎた・・・
ちなみに、パーキンのような最初の印象が悪い人が良いことをすると通常の何倍も好印象を与えることを少し意味が違うらしいがゲインロス効果というらしい。
現代で言うと不良が更生したらやたら評価される現象と言えばわかりやすい(トゥルンもこれに該当する)
シュナ
得意分野じゃないところでのポンコツ具合が可愛い。
第1話から王女であるカナタの友達として登場して以降もしっかりとキャラクターとしての濃さを残しつつ攻略面でも大活躍してくれる。
カナタやジャレビといる時はお母さんポジションのようなまとめ役で頼りになるところを見せてくれるが、それ以外の部分では十中八九ポンコツになるところのギャップもまたシュナの魅力だと思う。
そんなシュナが式神研究で貧乏になったラングドシャ家のために爵位を求めて貴族社会での政争と友情に翻弄されていく様は心が痛かった。
19話後編でカナタたちとマップ上で敵対し強がっても、冷徹には徹し切れてないのはシュナらしいと思ったし、会話後の空間転移した先で泣き崩れるシュナには保護者のような気分になりました。
なにげにカナタの空間転移が移動を拒否する相手には使えないっていうのも素晴らしい理由付けである。
そして、シュナとザッハのつかず離れず・言い合いも多いけどお互いのことを認めている2人の恋愛模様は久遠の彼方のカップリングの中で1番好きで、キューピッドになったトゥルンとザッハのことを陰ながら薦めるシュトレアおばあちゃんの2人も見ものである。
ただ、願望も入った残念な点として最終的にはシュナの支援の1番上がザッハになってほしかったという点。
ザッハは最初から最後までシュナが1番上なのに対し、シュナは最初から最後までザッハへの支援は3番目でちょっとモヤモヤした。
エンディングで結ばれることもあってクリア後にザッハが1番上に来るとかでも胸アツだったかも知れない。
個人的にSRPGにおいて支援相手というのは語らない美学の最高峰だと思っており、支援の1番上に記載されているキャラクターが最も大切な人という理由付けにもなるため、プレイヤーの妄想促進剤としてはこれほど素晴らしいものは無い。
ただ、今回のシュナのようにプレイヤーの解釈違いが起こる諸刃の剣でもあるため作者が悩ます種でもあるのだろう。
シュナの鈍感さはシュトレアおばあちゃんからも言われていることや、ジャレビ・カナタとの友情も深いのでエンディングで自分の気持ちに素直になったシュナにとってはまだまだジャレビ・カナタの方が大切だという解釈も出来る。
月日が経ち、夫婦として何年も共に歩めば間違いなくザッハが1番上に来るだろうが今はまだ友達の方が大事なシュナの心情も理解できるため、個人的にはこの解釈は語らない美学・永遠のトークテーマ・これを肴にお酒が飲めるくらいの深い議題になっている。
まぁこれに関してはザッハが3番目という答えが出ているけど・・・
シュトレア
言葉の端々から人としての大きさを感じさせる凄恐ろしい人。
式神研究で貧乏になってしまったラングドシャ家の悲願を孫のシュナに背負わせていることに負い目を感じながらも、孫のことを誰よりも思っている優しさ溢れるシュトレアおばあちゃん最高。
シュナにラングドシャ家の精神を伝える言葉の数々には生きてきた年数以上の重みがあり、それを聞いていたプレイヤーが一瞬で『この人には頭が上がらない』と思わせるほど言葉に芯が通っている。
そんなカッコいい・誇り高い一面とは別に、ザッハの良さにいち早く気づいてシュナに事あるごとに薦める古き良き世話焼きおばあちゃんといったコミカルな一面もまたシュトレアの魅力となっている。
このように、さまざまな顔を持つシュトレアおばあちゃんはこちらがどれだけ人間性を磨いたとしてもその本質が見えないキャラだと思っています。
個人的に久遠の彼方には本質が見えない四天王と位置づけているキャラクターが4人いて、シュトレアおばあちゃんもその中に入っています(残りはトゥルン・ファーブルトン・ガジェータス)
シュトレアおばあちゃんの会話シーンはたまに『ファーブルトンと会話してるのか?』と思うほどこちらの背筋がピンッと伸びる時がある。
最後に、攻略面ではロケットペンダントをありがとうございました。性能が良すぎてラングドシャ家の精神と共にずっとシュナに持たせていましたよ。
ジャレビ
このゲームにおける2大清涼剤の1人でとにかく明るい最強カワイイ忍者。
暗殺者である忍者にはあるまじき明るさで周囲を常に照らし、作中のキャラクターだけでなくプレイヤーにも笑顔を振りまいてくれるマスコットキャラ。
語尾につけているござるは忍者一族由来のものではなく、たまたま読んだ書物に書いていたから真似をしているだけといった歴史的な重みはいっさい無いというズッコケ具合も素晴らしい。
作中での笑える・息抜きのシーンのほとんどを後述する2大清涼剤のキャラとジャレビが担当していると言っていい。
そして、最初から登場しているジャレビ・カナタ・シュナの3人組の存在はストーリー上では一切曇ることはなく、11話から離れ離れになってしまっても20話前編で3人揃って戦闘に参加した時には涙は流さないまでも心の中に温かみを感じさせてくれた。
ジャレビの明るさはカナタ・シュナの2人以外にも、コクトから追放されて塞ぎ込んでいたアシュレーが自信を取り戻すきっかけになったのもジャレビがいたからこそ。
アシュレーに影響を与えた比率でいうと間違いなく半分?いや八割以上はジャレビが占めていると言っていい。ジャレビの底抜けの明るさと立場で人を見ない純真さが無ければアシュレーの成長とエンディングに辿りつけなかったと心底思う。
普通だとこういったキャラは作中とプレイヤーとの間で温度差が生まれそうなものなのに、ジャレビの存在は軍全体の士気にも影響を及ぼすほど大きなものになっていきその影響はプレイヤーにもそのまま波及するというのは実にジャレビらしい。
常に明るい、常にポジティブ、常にカワイイ、この世の陽をすべて注ぎ込んだそのキャラクター、登場してくれて本当にありがとう。
カシュー
戦いしか知らない不器用系剣士は大好物です。
【武に生きるものは武の中でしか生きられない】を体現したかのような実直で不器用なトウガ1の剣士で、最初から最後までクオン・カナタの護衛をしてくれたのは本当に頼もしかった。感謝してもしきれない。
すべての人が敵になってしまったと思った11話では誇張抜きで一筋の光くらい輝いていたと思う。
作中で目立つシーンは主要キャラに比べて少ないものの、ボーロングと同じように普通のシーンよりも戦闘会話にこそカシューの魅力が詰まっていると言いたい。
20話後編Bでのボーロング・カダユフ、24話後編でのカルダとの戦闘会話が特にお気に入り。
20話でのカダユフとの会話ではガジェータスの使命のために生きているカダユフと使命などの理由もなくクオンたちを忠義を尽くしているカシューという対比にもなっていて、『器用な生き方が出来ぬものでな』のセリフがこれほど似合うキャラクターはいない。カッコよすぎるだろ!!
カルダとの会話での『間合いに入るなら斬る』もこのセリフが作中で1番似合うので痺れましたね。
最後の剣術大会では予想通り優勝したし、魔法抜きでの作中最強の剣士の座は揺るがなくなって個人的には大満足です。
余談だが、カシューの相方であるボーロングが久遠の彼方で1番好きなキャラクターですが、それは以前に書いた記事に書いているのでよかったらそちらもご覧いただけると幸いです。

21~28章までの主な感想
ザッハ
周りにクセのあるキャラが多すぎて・・・
シュナとの初登場時の絡みでは掴みどころのないお兄さんだったが、のちに周囲のキャラ(主にオペラ・サーリィ・トゥルン)のクセが強すぎてツッコミ役に回らざるを得なくなった悲壮感はけっこう好きです。
本来はいろんな人を搔き乱すボケ役でいたいだろうに女性陣に終始圧倒されて全盛期はすぐに終了、シュナを助けた後は面倒見のいいツッコミお兄さんというシンプルポジションになってしまったザッハに心からの合掌を。
【久遠の彼方は女性陣が強い】の被害を1番受けたキャラクターはザッハかもしれませんね。
とはいえシュナを始めとして、多くのキャラクターの良き相談役・面倒見の良さは清々しさを感じるほど好印象で『やっぱり心根は貴族なんだな』というまた違ったカッコよさも見せてくれる。
パーキン王子には絶対に近いほどの忠誠心を持っていることや、昔から知るオペラを陰ながら助けてるんだろうなということは容易に想像がつくから作中で言及されていなくても自然と好感度が上がっていく。
やはり、魅力的なキャラクターというのは作中の描写が無くても、プレイヤーの頭の中で勝手に動き続けるものなのだろうなと思う。
そして最後に、ザッハといえばシュナのことだが、これに関しては作中でしっかり描写されていてシュナのところでもさんざん語ったのでほとんど語ることはありません。
心の底から2人を祝福します。
クロック
主人公適正が高すぎるよクロック!!
中盤におけるカノムVSコクトにおける中心人物であり、国民からの人望もめちゃくちゃある公子様。
カノムを背負うにふさわしい風格・実力を兼ね備えているのはもちろんのこと、カノムの民や将来のことをしっかり考えている姿は本当にカッコいい。
同じ【王道】のスキルを持つパーキンとはまた違ったキャラクターで、パーキンがクオンに友として寄り添う【王道】であるならばクロックは自身で物語を能動的に動かす【王道】と言えるのかも知れない。
おそらく勝てたであろうオーギスを殺さなかったり、ほぼすべての人間がクオンたちを悪と断じている時でもガジェータスに倣って会話の機会を設けるなど、クロックがいなければ物語が進まなかった場面が多々存在するのは誰の目にも明らかだろう。
攻略面においても、そのマップで1番活躍したキャラクター(MVP)はプレイヤーによって大きく分かれるものだが、クロックに関しては間違いなくクロックがMVPのマップが何個か存在するのも事実で、こういったクロック頼りのマップがあることで攻略面でもその存在感を感じることが出来る。
そのため、20話が終わるまでにソール・メテオサプレス・ソードオブメテオの3つは火力を最大に強化してもお釣りがくるほどの活躍をしてくれる(ハヤ草を使うのもおすすめ)
ソードオブメテオの【渾身の一撃が大地を割り、天変地異を引き起こす】って説明文もめちゃくちゃカッコいいよね、説明文の中で1番好き。
個人的にはTSさんのハーチウムに登場するアルベールが好きなこともあって、アルベールが公子になったらまんまクロックだろうなとも思っていたのでクロックを好きにならない理由がまず見つからないんですよね。
余談だが、このゲームの火と地の複合属性持ちのキャラがめちゃくちゃ多いと感じる。
そう思った理由にボーロングが1番好きなのもあるが、ミントやファーブルトンも該当するので複合属性の中では最多を誇っている。
サーリィ
このゲームにおける2大清涼剤の1人。
最初から癖つよつよで登場して、そこから最初から最後まで自分の感情のまま突っ走っていくワガママモンスター。それがサーリィ。
このゲームで己の感情のまま突っ走った1番のキャラクターはサーリィで間違いないと思う。
ただ、サーリィとしては安全な場所で研究や人間観察に明け暮れたいんだろうが、大好きなクロックの近くにいたいという気持ちのために色々なところについていきトラブルに巻き込まれてしまう。
これもすべて『クロックの喜ぶ顔が見たいから』という乙女心ゆえの行動で、その健気さは個人的にはかなりツボでとても可愛く映る。
まぁすぐに体力が尽きてギャーギャー喚くけどクロックとティアンの懐の深さもあって見ていて微笑ましいし、クロックとサーリィの武器であるソール・ルーナみたいにお互いがお互いを必要としてるんだろうなとひしひしと感じるところも〇
支援もお互いが1番上で2人とも2番目がティアンっていうのも最高!!だからこそバービンにも生きていてほしかった。
そして2大清涼剤と語っている通り、ジャレビと同じくらい作中で笑わせてもらいました。RPGモードはとりあえずサーリィに話しかければ必ず元気がもらえるという安心感が半端なかったのでいの一番に話しかけに行っていた。
主なサーリィ語録
- 私はハーレムとか許さないけど。殺すけど。頭カチ割るけど。
- クロック~こいつ敵ぃぃ!!
- けっけっ!!アイツキライ!!
- な~にが時勢はコクトだよ!私だよ!!
- ってこれ死ぬ流れじゃん!!
- 500年前に都合よく転移はおかしいっしょ。ウソだよウソ
- どういう覚え方してんの!!修正しろ!!
- 神采配。
- ムハレ、死んだらしいね。
- すぴ~~~ぴすす~~
などなど、サーリィ語録の出版待ったなしの多くの名言(笑い)を残してストーリーに笑いを提供してくれたサーリィに心からの感謝を送ります(ジャレビと一緒)
最後に、個人的にサーリィが好きすぎるのもあるけど『人気投票の順位低すぎねぇ?』とマジで思う。ベスト10はさすがに難しいだろうが、20位以内には入っていると思っていた。こういうキャラって人気無いの?
まぁボーロングが1番好きとか言っているから世間とのズレはしょうがないか・・・
ファーブルトン
魅力的な悪役とは何か?という本があれば必ず載る人。
最初からのうさん臭さ通り、トウガに対してはやはり面従腹背で女王が失脚した後はトウガを掌握しコクトに塗り替えた生粋の野心家。ハルヴァが言うように辺境伯に収まらないその手腕はまさしく本物である。
さらに、コクトのためならば自分の子供たちを殺しあわせることも厭わない非情さを併せ持つなど、彼の野望の底はプレイヤーには測れない。
これだけ聞くとただの私利私欲に塗れた強欲キャラだが、ファーブルトン自身が気に入ったものや認めた人物(クロックやネオテムなど)に対しては素直に実力を認め称賛する武士道精神を持っているなど、ファーブルトンの本質はいったいどこにあるのかわからないままストーリーが進んでいく。
ファーブルトンという人物はどういう人生を辿ってきたのか?30年前にいったい何があったのか?という興味が尽きることはなくエンディングを迎えてもその真意は何もわからない。
TSさんは以前に過去編を作ると言っていたが、いまだに制作されていないのでファーブルトンの人格形成はどう行われたかは不明。
こちらとしては気になってしょうがないので新作よりも過去編を作って欲しすぎて泣けてくる。
若かりし頃のヨウカ・ラクガン・シュトレア、さらにハルヴァ達の母親であるアイランとの馴れ初め、極めつけは当時は人類最強の男だったであろうユベシなどプレイヤー側の頭の中の妄想だけでは保管しきれないところが山ほどあるので作って欲しすぎる。
そして何といっても30年前に亡くなった親友との関係性、それがファーブルトンにどう影響を及ぼしたのかという答えが今すぐにでも欲しい。
ほんとズルいわ!!こんな過去に何があったか気になるキャラクターを生み出しておいてプレイヤーにはその一部分だけしか覗くことが許されていないんだからさ、この時代にこんな新手の拷問がするとは。
まさか、恋愛における惚れたら負けってやつをゲームで味わわせて来るんだからもうお手上げですね泣き寝入りですわ。
と過去編についてはこれくらいにして、他ではあまり言及されてないけどファーブルトンから初めて【徹甲】のスキルを知った時はTSさんのゲームの進化・歴史が新たな一歩を踏み出した瞬間を見たような気がした。
これまで防御無視は50%・100%の2つしか無かったのが今作で25%無視のスキルが新たに登場し、それをファーブルトンから知るという演出は個人的にはもはや感動に近かった。
ニッキーとの戦いで『【徹甲】?なんだこのスキル?』からの10話中編のファーブルトンからその効果を認識するという流れは芸術的と言っていい。
『防御無視がさらに細分化されんのかい!!』とテンションが上がった日が懐かしい。
他のゲームで言うとペルソナ3・4と順番にプレイして5で初めてバトンタッチを体験したような進化の瞬間を久遠の彼方でも味わえることになろうとは想像もしなかった。
ファーブルトン1人でこちらの心を何回震わせれば気が済むんだまったく、末恐ろしい。
ガジェータス
何もかもが読めない人物、本当のガジェータスの姿には一生辿りつけないと思う。
普段の怠惰な姿は相手を油断させる仮初の姿で本当は凄い人・・・なのだが、怠惰も全力で楽しんでいてそこに本質を突く言葉も混ぜてくるといった結局どれが本当のガジェータスなのかは最後までわからない。
クオンがわからないんだからプレイヤーはもっとわからない。
そして、登場したのが1話だけとはとても思えないほど濃密な言葉の数々にプレイヤーはクオン以上に考えさせられることになる。
勇者とは何か・国や王・魔族それぞれの問題を軽めのキャッチボールぐらいで投げてきたかと思ったら、急に大谷翔平クラスの剛速球(本質)を投げかけてくるので、もし自分がゲームの中で会話していたら耐えられる自信はなかったと思う。
そしてトリハスの時は予行演習だったと言わんばかりにガジェータスと判明してからはさらに苛烈になる。
個人的に思ったのが、トリハスの時はあくまで例としての問いかけだったのがガジェータスになってからはクオン本人に対しての問いかけに代わっていったなと言うこと。
ロッソ族の島の外れでの問答はまさしく集大成、あそこの内容は今までで1番濃かった。
その後のホライゾンを渡した時やクリア後の別れ台詞でガジェータスとしての本心の一部分を見せてくれたと個人的には思っている。
この言葉にどんな背景が込められているのかも考えたことあるけど、永遠に辿りつけそうにないですね。
ほんと勇者歴1000年まで騎士物語が語られるほどの大きな人物だったことは間違いない。ユベシが語っていたように500年前の魔法が発達していない時代にユナイトの理論に辿り着いたのか、どれほどの研鑽を積んだのかと言った部分を最後まで見せなかったのはガジェータスらしいとも言える。
勇者歴1000年に戻った後の予言の書に記されていた『持てる全ての力を勇者の為に』も反則過ぎる、クオンじゃなくても泣く。500年後の手紙ですら昼寝を推奨するボケをかましてくるのもらしいっちゃらしいし相変わらず本質を見せてはくれない。
最後まで掌の上で転がされる。















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