【ユレイシア英雄戦記】
良かった点・気になった点とクリア後の感想

先日配信されたユレイシア英雄戦記をクリアしたので良かった点と気になった点を紹介します。

個人的に感じたのはこのゲームは良かった点・気になった点がハッキリと分かれており、名作と評価するのか駄作と評価するのか人によって大きく分かれます。

かくいう自分も賛:6・否:4くらいのゲームだと感じてはいるものの、賛:6に含まれる輝いている部分には目を見張る部分があるのでこうして紹介記事を書くに至りました。

ネタバレを多分に含むので未プレイの方は読まないことを推奨します。

ちなみに、作者のX(旧Twitter)などを見ていないのでわからないですが、ベルウィックサーガやヴェスタリアサーガなどの加賀昭三さんの作品に影響を受けているのは明らかなのでそれらを踏まえて感想を書いていきます。

主人公のファリスがスキル【指揮官】、レベル10で【連続攻撃】や【連携】持ちの槍騎士がいるのを見れば影響を受けていることは多くの人が感じるだろう。

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良かった点

各ユニットの個性付け

このゲームにおける一番の面白さと凄さが、この各ユニットそれぞれの個性付けである。

各ユニットに設定されているステータスや武器、スキルの数々でベルウィックサーガにも匹敵するほど大きな個性を持つユニットが多数登場している。

誰一人として同じユニットはおらず、そのユニットたち全員に出撃機会があることで使わなければ難易度が上がるという土壌を作り、各プレイヤーにユニットを活かす道を模索させる。

百戦錬磨の斧★を有効に使いたいからダンとミストレルの出撃章を分けるといったやり方や育て方はプレイヤー次第、ダンがいるのなら『ディアヌも一緒に出撃させよう!!』といった見えないレールが敷かれている点も素晴らしい。

スキルの習得レベルがわかっていることもありがたく、スキルのために優先的に経験値を与えて部隊を強化するといった先を見据えた運用が出来るのも評価ポイントである。

というより攻略本や攻略サイトが作られるかわからないインディーやフリーゲームは安易にスキルをいつ習得するかなどの隠し要素を極力入れない方が良い。

ちゃんとEDまで行くプレイヤーはダウンロード数の半分もいかないだろうし、2周目をやってくれる人はさらに下回ることが明白なのでストレス部分は削るに越したことはない。

ただ、最初に言った被っているユニットはいないもののユニットの強さ・利便性の差はどうしても存在する。

そして、このゲームにおける最上位ユニットは太陽の杖が反則すぎるヴィーチェで間違いない。

攻略マップの濃密さ

自分がプレイしたSRPGの中でも断トツでマップにギミックが大量に詰め込まれている。

総合的に見て狭いマップが多いのだが、その狭さの中にバリエーションの多い敵や攻略に影響するギミックが配置されていて、マップを一望出来る出撃画面の段階で濃密さを実感する。

序盤からユニットを固めて一方向に進むだけでは到底クリア出来ないように設計されており、部隊の分配を考えるのがこのゲームの面白さである。

そして、そのマップの中に倒さなくてもいい強敵などを配置したうえで撃破ボーナスのアイテムを用意しているので、横道に逸れれば自然と難易度が上がるというSRPG独自のゲームデザインもしっかり併せ持っている。

★・★★といった特別なクリア条件もあり、マップと作者という二段構えのプレイヤーへの挑戦状が用意されているところも評価点。

このゲームが初めてのSRPGという初心者は1割にも満たないと思うので、多くのプレイヤーはマップの強敵や★達成に挑戦して四苦八苦したことは想像するに難くない。

SRPG経験者ほど

  • 『自分はSRPGを何作か遊んでいるから★を達成できるだろう・・』
  • 『これまで★・★★を達成しているから今回も達成しよう』

という謎の力が働いて自然と難易度が上がっているかもしれないですね。

レベルアップの固定成長

SRPGの中では珍しいレベルアップの成長をランダムではなく固定にしたことで誰がプレイしても同じ成長結果になる。これはランダム成長におけるステータス吟味をして無理やり突破という力技封じにも貢献している。

固定成長になったことで強くなった・ヘタれたといった現象が絶対に起きなくなり、濃密なマップ攻略に集中できるのはありがたい。

ランダム成長の楽しみを切り捨てたのは一部のユーザーには痛いだろうが、いつでもセーブによるステータス吟味で時間を使うのはゲームの趣旨にそぐわないので、この仕様は個人的には好きな要素である。

経験の書

レベルを上げるアイテムは他のSRPGでは数あれど、これほど安く手軽に入手できるSRPGを自分は知らない。

出撃枠の都合上、どうしても選ばれずレベルが低いままのユニットへの救済措置として用意されている今までありそうでなかったとても斬新なアイテムが経験の書である。

9章から登場し、購入数に限りがあるがその有用性に反して破格の値段で販売されはじめる。

個人的には11章でミストレルのレベルを一気に上げられたのが1番ありがたかった。

この辺りからミストレルが活躍する川や海の地形が増え始めて徐々に頭角を現し、最後までそれらの地形に居座って単身でバッサバッサとなぎ倒していくさまは非常に爽快。

マップを攻略していくと販売される経験の書のレベルが増えていくのも素晴らしく、スキルの習得レベルがわかっていることとあいまって習得レベルまで一気に持っていけるのも便利さに拍車をかけている。

全キャラに出撃枠があるいわゆる全員野球のSRPGには全て導入してもらいたいくらいありがたい要素である。

スキルリングによるユニット強化

強敵撃破や宝箱・★達成などで入手する持たせることでスキルを付与できる強力なアイテム、ユニットごとに最大2個まで効果を得られる。

各種武器の命中率が最大で33%までにしかならない~回避はどのマップでも役に立ち、中盤を超えた辺りから精度上昇や致命上昇といった攻撃に役立つ強力なものが増えていき戦略の幅が広がる。

増えれば増えるほど出撃画面で誰に持たせるかに多くの時間を費やし『SRPGやってるな~』と感じてとても面白かった。

総プレイ時間の10時間近くは出撃画面でスキルリングの振り分けに使っていたと思う。

他にも、スキルリングは部隊が分かれるマップでの振り分け方にも影響し、武器手入れのスキルリングをアーキスともう1人に使わせたいから振り分けを見直したらプレイ時間がさらに増えるということも十分起こり得る。

ただ、これを面白いと捉えるかのか、めんどくさいと捉えるかはプレイヤーによって大きく分かれる。

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気になった点

選択肢の時にカーソルが出ていない

『テストプレイしたのか?』と疑うレベルで地味にめんどくさい。

『セーブしますか?』『ユニットの説明を聞きますか?』といった必ず出てくる選択肢にカーソル(矢印)が表示されておらず、それを出すために十字キーのどれかを1回押させるという手間がゲームプレイにおいてまったく必要性を感じない。

こういった地味なストレスがプレイをやめる原因になることを製作者には理解してほしい。

決定ボタン連打で重要なことを考え無しに押してしまうことへの防止かもしれないが、この難易度の高いゲームにおいてそんなこと起こる方が珍しいだろう。

特にこれを感じたのは唯一の離脱マップである15章、離脱する際にユニットの数だけカーソルを表示させる作業が発生し、毎回十字キーを押さなければならなかったのはかなりの苦痛だった。

『あとセーブしますか?』の確認にON/OFF機能を追加してほしい、言われなくてもするくらい難易度が高いんだよ。

続編ありきかのようなストーリー

終盤といえる16章くらいからも主要っぽい登場人物が増えたり、敵のボスたちも全然倒してないので『20章までに全部片付くのか?』『19章くらいで多VS多の決戦マップでもあるのか?』と不安を抱えながらプレイしたら結局尻切れトンボで終わってしまった。

マップ上で幹部クラスっぽいボスたちを倒したが逃げられたり、ラスボスに関してもワープして逃げられて主人公たちの見えないところで勝手に倒されたりと最後まですっきりしなかったのは残念。

ED後の後日談も『それはまた別の話・・』や少数のキャラクターによる伏線っぽいものが張られてたりとさらにモヤモヤ。

詳しく知らないんで恐縮ですが、この製作者のゲームってこれが1作目ですよね?なんか何作も重ねてプレイヤーから一定の信頼を得ている有名製作者が見せる新たな境地!!みたいなスタンスのEDでスッキリしないのはいかがなものか。

1作目という、いわば名刺代わりの作品がこんな中途半端で良いんでしょうか?

マップの出来やユニットの色付けは商業作品に劣らない、むしろ研ぎ澄まされているのにストーリーが大きく足を引っ張っているのが惜しいと感じた。

続編があるにしても何年後なんでしょうね。

作中のキャラクター

自分には刺さらなかった。

主人公やヒロインと言った主要な人物に魅力を感じられずストーリーに関しては退屈の一言。

ファリスは終始なよなよ、アイリーンは世間知らずの王女様で特に成長していった風には見られず、あげくの果てには実はファリスが聖剣アルヴァトーレの血筋だったという禁じ手っぽいこともしだして一気に冷めた。

【ティジア王家とトルキア家の隠された歴史!!】で納得できるわけがない、これでアイリーンはただの王族に成り下がってしまったのも可哀想。

正直、メインストーリーよりもサブキャラのストーリーの方が個人的には良かった。

傭兵団【暁】のエーティ・ディラン・オズたちのお互いを大切に思いあっているからこそのすれ違いやエーティの成長物語、保護者のディラン・オズの関係性は胸にくるものがあった。

あとシグマは見た目もキャラ性能も好きです。

挑発・イカサマ・すり取るといっただまし討ち前提のキャラクター性は珍しくて新鮮に映る。

マップやユニットの個性づけはSRPG好きが唸る完成度、メインストーリーはSRPG初心者向きといったちぐはぐさがこのゲームを賛否両論にしている原因だと個人的には感じている。

どの武器を持てるかのわかりにくさ

これは如実に感じるこのゲームにおける大きな欠点。

各ユニットはステータス画面のアイコンに表示されている武器が使えるのだが、間違いなく全ユニットが使える武器を覚えているプレイヤーは1人もいない。

特に剣は種類が多く、紹介すると一般剣・大剣・細剣・魔法剣、似たようなアイコンでダガーと種類が非常に多く、どのアイコンがどれに該当しているのかもわかりにくい。

アイコン自体が小さいことも不便なことに拍車をかけている。

ゲームをプレイしている人は総じて目が悪く、SRPGプレイヤーは基本的に年齢層が高いので『小さくて見えないからプレイをやめた』ということが起こっても何ら不思議ではないので今すぐ改善してほしい。

むしろ使える武器をステータス画面に文字で書いてくれてる方が見やすいと思うのだが・・

昨今のドラクエ3リメイクが老眼にはキツいから断念した、ハンターハンターの文字が小さすぎて読めないというのと同じ部類である。

あとクラスチェンジ(CC)でCCボーナスや新たなスキルを説明してるんだから新たに使えるようになった武器も一緒に説明した方が良いと思う。

重要情報の説明不足

パッと思いつくだけでも11章の船を鹵獲する際にどれだけHPを減らす必要があるかや、18章において街を解放した際にアルムート・ヴィーチェのどっちが横に転送されるかとった重要なことに対していっさいの説明がない。

これらはマップ攻略や★達成に関わるのでしっかりと説明していただきたい。

特に18章はヴィーチェの位置が重要なので、ヴィーチェが知らない間に街の隣に移動させられては、これまでの攻略の道筋を変える必要すら出てくるので大きなロスにつながる。

18章自体が★★達成に18ターン以内クリアというカツカツなマップなので説明はかなり重要だと思うんですけどね。

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感想

この作品を表す表現としてベルウィックサーガの遺伝子を受け継いだヴェスタリアサーガ寄りのゲームというのが個人的にはしっくりくる。

マップの完成度とユニットの個性付けは他の追随を許さないほどの完成度を誇る反面、ストーリーやUI回りに関しては個人的には粗が目立つ賛否両論と言われるのも仕方ないゲームだと思います。

いっそのこと『マップの完成度とユニットの個性付けに全振りしました!』と紹介した方が評判が良くなるんじゃないだろうか。

デビュー作なのであればすぐにリリース出来るならまだしも、続編を匂わすようなことはやめて基本的にはわかりやすくハッピーエンドにした方が良いと思うし、そうじゃないのなら尖りに尖りまくった作品にした方が印象に残りやすいと思う。

もし自分が友人に紹介するのであれば『マップの完成度とユニットの個性が輝いてるクセのあるSRPG。他はあまり期待しないでくれ』という風になります。

コメント一覧

  1. 私がnoteで書いた感想にほぼ近いし「ちぐはぐさ」という単語は私も使ったので、納得感がありました。
    (ストーリーを読みたい人には難易度が高すぎるし
    最期まですんなりいける人はストーリーなど読まないであろうという感じの調整に見える、という文脈で使いました)
    尻切れトンボの理由はキャラ性能や設定が
    あまりにベルサガのパク…もとい同じ点が多かったため
    細かい点を見比べて「結末もパク…もとい似た感じにしたかったのではないか?」という読みもしました。
    真相は不明です。

    • ベルサガやヴェスタリアサーガに似ている部分は多いですが、EDの消化不良まではオマージュしなくても良かったと思いますね。
      作品が何個かあってその中の1つがこういった終りかたってのは良いと思いますが、デビュー作っぽいですしね。

  2. バランスが悪すぎる
    この手のゲームで攻略ターン数は絶対やっちゃいけないのに
    所詮アマチュアって感じ

    • SRPGでターン制限は当たり前だと思いますが、それをする以上は攻略に必要な情報をしっかり明示してほしいなと思います。
      アマチュアにしてはマップやユニットの個性付けは凄いですよこれ、まぁ詰将棋感が強いと言われればそうでしょうけどね。